博多織の工場見学をしてきました!
伝統工芸士の工場長さんが案内してくれました。今回訪れた工場は江戸時代の創業で、とても歴史のある工場です。
たくさんの織機が並んでおりました。
織る帯によって使用する織機が異なります。横糸の色数によってシャトルの数が決まります。2色なら二つのシャトルが交互に動きます。写真のように、何色も横糸を使う柄の場合、上に色数分のシャトルが積み重なります。柄に合わせて、シャトルが高速で動き横糸と縦糸が重なって帯を織り成していく様子は圧巻です。
絹糸へのこだわりも興味深いものがありました。
9000メートルの糸が1グラム分で1デニールで、9000メートルで10グラムですと10デニールと呼ばれるそうなのですが、
一粒の繭から2.5〜3.2デニールの糸が取れるそうです。
現在は群馬県の国産の糸だけでなく、中国産やブラジル産も使われるそうです。しかしそのブラジルの養蚕というのも、戦前〜戦後の日系移民によって生産されてきたもので、技術と蚕はすべて日本のものを持ち込んだものです。当時の日本の農大や繊維大学等から技術者を集め発展させたのだそうです。
海を渡った移民の歴史が作り出した産業だと思うと、先人の努力には感慨深いものがあります。
福岡で博多織を見学した後、博多座やその近くにあります櫛田神社を見に行きました。
櫛田神社さんは、博多祇園山笠が奉納される神社で、一年中「飾り山笠」を見る事が出来ます。写真のものは「日本武尊征熊襲(やまとたけるのみことくまそをうつ)」です。京都や東京の神社とはまた趣の違う、勇ましい雰囲気が味わえる神社でした。
その後、熊本へ行きました。地震にも負けない熊本城の勇姿です。
肥後の石工が築きました石垣は健在な部分と崩れた部分があり、崩れた部分は一つ一つナンバリングをして並べ、また全て元の位置に積み直さねばならないのだそうです。(凄い作業です!)
熊本城見学の後は、阿蘇の方へ行き世界一のカルデラを見ました。地殻変動で沈んでカルデラが出来上がったのだそうで、もしかすると富士山より大きい山が元々あって、それが地殻変動して今のカルデラになったのではないかと言われているそうです。火の国と呼ばれるように大地の力が伝わってくる風景です。数々の車のCMにも使われるほどだそうです。絶景でした。
赤牛や馬などが放牧されており、雄大な大地で育てられたお肉の方も絶品でした。
東京へ向かう帰りの飛行機で、雲の上に抜けると見事な“北斎ブルー”の空が!!
浮世絵のような見事なグラデーションの空です。
北斎の波同様に、当時の浮世絵師の空に対する観察眼はかなり正確だったのかななどと思ったりしながら、帰路に着きました。